久しぶりに本を読んだら心に沁みた…。せっかくなので今日はその本『日々是好日-お茶が教えてくれた15のしあわせ-』について紹介してみます。
ざっくり言うとこの本は、作者がある日突然出会ったお茶(茶道)を通して、日常の中に幸せを見出す喜びを伝えつつ、見落としがちな小さな幸せを感じるためのヒントをくれる本。
作者がお茶を始める最初から書かれてるので、お茶の経験がなくても心の動きにとても共感できるし、茶道ってそういうものだったのか!っていう発見の連続だった。
私はこの本の何に心動かされたのか…?
私がこの本に感動したのは、私自身がマインドフルネスで言うところの「今ここ」の感覚を追い求めてる人間だから、ってのも大きいと思う。
このお話のベースは茶道だけど、茶道を通して「今ここ」の感覚を感じられるようになる話でもある(私の勝手な解釈だけどね)。最初にこの本について「お茶を通して日常に幸せを見出す喜びを伝える本」と書いた中には、そういう意味も含めてる。
頭で考えて日々の出来事に感謝するとか、幸せを見つけるとか、それももちろん大切なことだと思う。
だけど、それと同時に本来は幸せも感謝も内から湧き上がるものだし、それを感じられてこそ本当に満たされるんだ、とも思ってる。こればっかりは最終的に頭でどうにかできる話ではないんだよなと。
だからこそ、幸せ感や感謝が自然と湧き出る自分になることが、人間が満たされて生きていくにはすごく大事なことだと考えてるんだけど、この本は茶道を通してそういう自分になっていく終わりない過程がとても上手く描かれてる気がする。
茶道ってすごいな、日本ってやっぱりすごかったんだ!って熱くなってしまった。
「伝統」とは古くさいものだと思い込んでいたが、そうではなかった。本物の伝統は、モダンで斬新だったのだ。私はその時、「ジャポニズム」に憧れた百年前のフランス人の「目」になって日本という「異国」をみていた。
『日々是好日-お茶が教えてくれた15の幸せ-』森下典子
これは文中で、モダンですっきりした日本の茶道具にスポットライトを当てて書かれた文章なんだけど、今回いろんな意味ですごくしっくりきた。
作者が「今」を感じてるからこそ、文章にのっかっている「感覚」がとても濃いし、心にスーッと入ってくる。読んでてすごく気持ちの良い本でした。
何回読んでもその時その時で違う感覚になれそうな本なので、大事に手元に置いておく一冊になりそう。
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